孤星を読むまでアークナイツを走り抜けたオタク

去年の10月末頃になんとなく昔やっていた御城プロジェクトを触ったら突然タワーディフェンス欲が増したので軽い気持ちでアークナイツを始めて以来今までそれなりのペースで遊んできたわけですが、先日遂にクソデカイベントシナリオ「孤星」を読み終えたので完走した感想が乾燥する前に書き残しておきたいと思います

本題

「孤星」はアメリカをモチーフとした国クルビアのライン生命という組織を取り巻いていた問題を軸とし、アークナイツ初期から続いていた話の一つに一旦のピリオドを打ったシナリオです なんと総文字数21万文字!

 

1番重要度が高い、孤星の直前の時系列に当たるイベント「翠玉の夢」が復刻開催されたのでそれを読み、読み終えていなかったメインシナリオも12章まで読みそのままの勢いで孤星を読了し数日後の今に至っているわけですが

結論から言うと、自分は満足するには至りませんでした

 

というのも自分が求めていたものと違ったという部分が大きいだけで、孤星の登場人物の動機の矛盾の無さやシナリオ通してのメッセージ性の綺麗さは間違いなく読み物として高いクオリティだと思います

ただ自分には孤星を読むうえでの費用対効果のバランスの悪さを覆すほどのものではなかったなというのが率直な感想です

 

前提として自分語りになるんですが今まで結構運営型ゲームの美味しいところを渡り鳥してきていて

FGO-終章

グリモア-一年目年度末.prologue

グラブル-どうして空は蒼いのか三部作

ブルアカ-エデン条約編3.4章/最終章

ワールドフリッパー-シナリオ全般

FF14-漆黒のヴィランズ 

これらのシナリオが共通して「これを読むためだったら今までのゲーム性的な苦しさをも含んだ全ての過程を受け入れられるし、これを読むためにゲームを始めてもお釣りが来る」と思わせてくれる程面白くて、これらに比べてしまうと孤星はひとつの区切りであるシナリオではあったものの、あくまでアークナイツの中の話の一つであったし、孤星を読むためにアークナイツを始めるのはオススメできない

特にアークナイツと同じくらい前提が厳しく時間の取られるFF14は、お目当てのシナリオを見るまでにとてつもない時間そんなに面白くないゲームをやらされてこれでもかとゲームに対してのフラストレーションが溜まった上でも喜んで手のひらを返すほどの面白さだったのでどうしても比べてしまうというのもあります

 

孤星読破までの道

アークナイツは誰に誘われるでもなく情報ゼロからなんとなく触り始めたんですが、その直後に何やら限定ガチャと一緒に超気合の入ったイベントシナリオが襲来するだとか言われて(アークナイツは本国版とグローバル版でアプデに時差があるので、グローバル版プレイヤーは半年先くらいまで未来が分かります)実際にイベントが来た後も親交内外問わず孤星のシナリオを絶賛する声がとても大きかったのを覚えています

が、孤星を万全の状態で読むには前提知識が必要とのことでとりあえずシナリオはスキップしてイベントを進め後で読むために前提知識を蓄えるフェーズに移行した・・・んですが

このゲームテキスト量が多い 多すぎる

 

一つのイベントシナリオを読了するのに真面目に読んだら大体4時間程かかるし、グローバル版から日本語への再翻訳なので特にサービス初期~中期くらいまでのシナリオには拙い文章も多く見え、多すぎる固有名詞と意図してたりしてなかったりする説明不足シナリオに正直半分くらい怒りながら読んでいました

ファルシのルシがコクーンでパージどころではない固有名詞の洪水

プレイヤーに開示されてる情報を把握したうえで言葉を選んでほしい(出てくるワード殆ど初見)

 

そして孤星の前提シナリオは殆どそんな感じの文章のメインシナリオ12章まで+イベント7つ程 文字数は大体平均ひとつ10万文字くらい(多すぎ)

SandBox/ストーリーの文字数まとめ - アークナイツ攻略 Wiki

更に無料公開されてる漫画と限定キャラクターのプロフィール(入手無理なのでwikiで補完しました)の知識を経て万全と言える状態になるので読み進めるのに相当に骨が折れたし孤星へのハードルがどんどん上がっていくのを感じる・・・

と言った感じで個人的に相当苦労をしながら期待を込めて読んだ上で以下感想です

感想(ガッツリネタバレ)

求めていたものと違ったというのも、話の終着点がクリステンとミュルジスの救済と歪んでいったライン生命の精算になっていたけども、彼女らのお話に対して最後にカタルシスを得られなかったのが原因だと思っている

 

結局クリステンの思想には触れられたけど思考には触れられなかったし、ミュルジスを救済するのがドクターというのもあまり納得がいっていない部分ではあった(それまでにそれ程の関係値を築けていたか?)

それまでのお話を経てユーザーが感情移入していたのは間違いなくサイレンス.イフリータ.サリアの3人だと思うので、クリステンが全てを持って行き過ぎて消化不良を感じてしまった

 

最終的にサイレンスが責任を背負う形にはなるのは良かったのだけど、イベントだけだと直接説明をしていないから最後のシーンの状況が分かりづらくてあまり感慨に浸れなかったのと、クリステンと邂逅したうえでその道を選んで欲しかったなと この2人が交わってないの勿体なさすぎる…けど、クリステンの人生に両親とサリアとミュルジスしか居ないままだったのはらしいと言えばらしいのかもと書いていて思った

異格サイレンスのプロファイルで詳しく語ってくれたことで炎魔事件を経ての成長を実感できたので、やっぱりシナリオ本編であと少しでも化学倫理委員会としてのサイレンスを描写してくれたら漫画から始まったサイレンスの話も終わり気持ちいい読後感になったのでは?と今でも思う

 

あと途中のfristonの話がアークナイツとして重要すぎてこれ本気でライン生命のシナリオをやる回だと思ってたのにガッツリアークナイツやんけ!!!とそれどころじゃなくなってしまったのもある

 

ぐだぐだわがままを書いてしまったけど、設定はもちろん個々人の動機、目的にまったく破綻を感じられないところや、各々の科学者としての在り方や相容れない思想同士のぶつかり合いの造詣の深さ等クオリティの高いSF群像劇として普通に楽しませてもらいました

 

今回は衝撃的な体験とまではいかなかったけれど次また運営型ゲームのクソデカイベントに出会えた時は感想を記したいと思ってます、好きなので